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2001年夏の英国記 20.ウィークデイのとある1日(2)[最終回]そんなこんなで午前中の授業は終わり、ランチに出かける。ランチは他のグループも加わって近くのパブですませることが多い。食事中によくしゃべるのはレイモンだ。彼は必ず昼間からお気に入りのラガービール「フォスター」を飲む。一杯入って調子よくなるのか、冗談を連発するのだ。フランスのジョークは良く分からないのだが、男連中は大喜びしており、時々女性人が「ついていけないわ」みたいな顔をしているので、結構キワドイ内容のジョークであるらしい。 唯一分かったのはステファンが言った「TGVとは何を意味するか?」ってやつで、クイズ的な回答は無論「Train Grand Vite」でありフランスの誇る超特急列車だが、彼の回答は「Tequila, Gin, Vodka」である。酒好きのフランス人らしいジョークだ。これは結構気に入ったので、次の週にやってきたフランス人の女の子に言ってみたら「...ヨシ、あなたのユーモアは私の好みじゃないわ」とあっさり言われてしまった。フレンチジョークは女性には向かないらしい。言う相手を選ばなきゃいかんね。でも彼らのえらいところはこれらの会話をフランス語でするのではなく必ず英語を使うことである。 昼休みはおのおの勝手に過ごしている。僕は学校の近くの店をうろちょろしていることが多いのだが、レイモンがよく付き合ってくれる。彼は自ら「チョコホリック」と呼んでいるチョコ好きで、あちらこちらの売り場でチョコを買っているのだ。しかも非常に念入りに選ぶ。アル・パチーノばりのダンディなフランス人がチョコを齧りながら日本人と一緒に街をうろついているのも地元の人からはなんとも妙な光景に見えたかもしれない。 午後の授業は2時から始まる。昼休みが2時間あるので時間的にはややのんびりできるが、やはり多少眠くなるので授業は午後がつらい。内容は会議、討論、電話のやりとりなど様々なシチュエーションを想定した英語の使い方を勉強する。これら通常のレッスンに加え、週に一度プレゼンテーションの時間が設けられる。テーマは自由。何をしゃべってもいいが、時間の使い方(10分間)と質疑応答の方法(5分間)を実地練習するわけだ。これは結構つらい。無論準備にも時間がかかるので、週末は常に次のプレゼンのことなど考えている。のんきに自転車で走っているように見えても、頭では次のテーマを探していたりするのだ。他の生徒は大抵1週間で帰ってしまうので、みんな自分の仕事についてプレゼンをする。僕も最初はそれで終わったが、だんだんネタがなくなっていく。最後の週など「酒場での注文の仕方日英比較」など適当なことをやっていた。 そんなこんなで終了は4時半。それから30分の復習時間が当てられ、5時にすべての終了となる。やはりもうクタクタである。しかし疲れを知らぬハイテンションなステファンは「さあ、これからどのパブに飲みにいこうか!」と皆を誘う。そして皆行く。大抵は一番近い「The Smoking Dog」に出かける。 店に到着するとステファンは考える間もなく「ギネス」と注文を入れる。そして必ず1杯目は皆におごってくれるのだ。「会社から金が出るのだからいいのだ!」との弁だが、本当かいな。彼の会社はフランス軍が顧客であるらしく、いろいろと優遇の利く企業であるらしい。日本に帰って人事の人にその話をしてうらやましがっていたら「バカモン」と一喝されてしまった。普通はそうだよな。 レイモンはお気に入りの「フォスター」だ。僕を含め他の連中はせっかくイギリスに来たのだからということでビターを頼んでいることが多い。時刻はまだ5時過ぎ。なぜか皆ジャンガのゲームがお気に入りで、よくやっている。他愛のないゲームなのだが、一杯入ってるし、授業で頭使ってるので、こんな単純なゲームが盛りあがる。大体2杯飲んでとりあえず1軒目はお開き。それぞれ家に帰って夕食をすませ、飲み足りない連中はまた集まって飲む。こうしてMalmesburyの普通の1日は長い昼とともに終わっていく。(終わり) |
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