The Society of British Culture

2001年夏の英国記 17.イギリス人とビートルズ(1)

今回改めて感じたのは、イギリス人というのは本当にビートルズが大好きなのだなあということであった。どの年代の人でも多かれ少なかれビートルズのことは語れる。もはやコモンセンスである。

滞在3週目の金曜日の夜、クラスメートのフランス人2人と、ちょっと町の中心から離れたパブに飲みに行った。ここで今夜地元のバンドがライブをやるのだと聞いたのである。  午後7時半頃ライブは始まった。ブルースや昔のロックを中心にやっているが、客の反応は今ひとつ。みんなビール片手に聞いてはいるが、それほどノリノリではない。連れのフランス人は「うちの国ならどんなバンドでもとりあえずもりあがってるぜ」とちょっと不満顔。さすがラテン。

しかし4曲目あたりから雰囲気は一変した。バンドがビートルズのOne  After 909を演奏したところから一気に盛り上がってきたのである。そんなにメジャーではないこの曲でそこまで盛り上がるか?これ以降は客のテンションは上がる一方で、I Saw HerStanding Thereをやるころには若者はおろか、どうみても60過ぎている夫婦までもが踊り狂っていた。われわれよそもの3人はのり損ねてあっけにとられていた。さすがのラテンもこの突然の変わり様にはついていけないようだ。

ビートルズの他にもストーンズなども織り交ぜて、客のテンションを落とさないようにしていたようである。30曲くらいやっていたと思うが、曲名が分かったのは以下の通り。

One After 909 / The Beatles
Back In The U.S.S.R. / The Beatles
Jumpin' Jack Flash / The Rolling Stones
Get Back / The Beatles
Walk Of Life / Dire Straits
I Saw Her Standing There / The Beatles
Satisfaction / The Rolling Stones
Eight Days A Week / The Beatles
Brown Sugar / The Rolling Stones
Don't Look Back In Anger / Oasis
Honky Tonk Women / The Rolling Stones

4週目の週末、テストを受けにロンドンに行ったついでにウェストエンドのミュージカルAll You Need Is Loveを見に行った。題名から想像がつくように、ビートルズ・ナンバーを取り入れたミュージカルである。ABBAの曲を使った大ヒットミュージカルMamaMia!のパクリではなかろうか?本当はそちらを見たかったのだがチケットがとれず、近くでやっていたこの作品を見に行ったのだ。

ビートルズ・ファンである僕にとっては楽しめるステージであった。次から次から歌われるビートルズ・ナンバーと俳優の躍動的なダンスはとてもエキサイティングだ。家の内と外でAll My LovingとNo Replyを演じていたところなど笑わせてもらった。しかしストーリーはほとんどないに等しいので、ミュージカルとしてはいささか物足りない。となりの席のおばさんは明らかに退屈していて、前半の幕が降りたとき「終わったの?」と僕に聞いてきたほどである。演出家はきっとMTVのファンだったんだろうな。

月曜日学校に戻り先生にその話をしていたら「それでビートルズのどの時期の曲を使っていたの?」とスルドイ質問。どの時期の曲もまんべんなくやってましたよと答えると「エーっ、だって全然違うじゃない。そんなにいろいろやって統一性あるの」だって。うーむやはりよく聞いている。だから別にビートルズの曲をそのまま使うんじゃなくて、ミュージカル用にアレンジしてるんですよとの答えに「なんだ、それじゃあ面白くないわね」だとさ。やはりビートルズの曲はそのまま愛されているようである。

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