サブタイトル The Pleasure Garden

持ちよりライブラリ: 本・まんが 著者名「か〜そ」

◇ 狩撫麻礼作・中村真理子画/天使派リョウ

■ご紹介下さった方

なおさん

■紹介メッセージ

「いろんな現実問題を提起しながら、その中での人間模様を巧みに描いている」とのことです。

■管理人の感想

物語のはじめの頃から思うと、意外なかたちで物語が展開していきますね。突然非日常の世界が現れ、何事もなくまた日常の世界に戻っていくというところが興味深く、一気に単行本を読み切りました。

登場人物たちを、やさしさと厳しさの両方をもった眼差しで描いているので、心地よい読後感が得られた作品でした。

◇ 日下公人/「逆」読書法

■ご紹介下さった方

UKIさん

■紹介メッセージ

やはり読みやすいです。
読みやすくかける人は頭がいい、というのがおすすめする訳であります。
サブタイトルはずばり「読まなくてもいい本を、読まずにすます方法」です。

■管理人の感想

[内容]
「人のやらないことをやるべし」という著者の哲学を読書法にあてはめた本。ただ、前書きに「読書の効率を低下させてみせます」と宣言してあるように、効率的な読書を薦めた本ではありません。

[感想]
「中立・中性を装った本より、両極端な本を2冊読んだほうがいい」「少女マンガも短歌も、『本歌取り』の読書力で面白くなる」など、面白く本を読むための興味深い方法が紹介されてはいます。ただ個人的には、そういった読書法そのものよりも、それを解説するために紹介されている様々なエピソードのほうに目がいきました。読書法については断定的な書き方が少し気になる側面がありますが(それが日下氏の持ち味なのでしょうが)、エピソードのほうは様々な話題が豊富で素直に楽しめましたので。また、UKIさんのおっしゃるように、ストレスなくページをめくっていける読みやすさも印象的でした。(2002年8月10日)

◇ パウロ・コレーリョ/アルケミスト 夢を旅した少年

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■ご紹介下さった方

遥香さん

■紹介メッセージ

少年サンチャゴが、夢でみたお告げをたよりにピラミッドまでを旅するファンタジーです。 でも、登場人物には全てのタイプの人間がでてくる、簡単にいうと現代版「星の王子様」です。すばらしく美しい話です! (よしてるより・・・遥香さんは、この本に出てくる旅路を中山美穂が追うTV番組がきっかけで読むようになったそうです。『本当になにかを欲すれば、宇宙全体が協力して、常に、おまえの味方になってくれる』 というメッセージが込められている本とのこと)(2003年2月21日)

■管理人の感想

[物語]
アンダルシアに住む羊飼いの少年サンチャゴ。彼は、繰り返し見る同じ夢を老女に解釈してもらい、エジプトのピラミッドを目指すようになります。そこにある宝を手にするために。しかしアフリカ大陸に着いた少年を待ち受けていたのは・・・様々な人との出会いを通じ、人生の知恵を学びながら、サンチャゴは夢に静かに、しかし力強く近づいてゆく。

[感想]
やさしい言葉でつづられた200ページ程度の短い物語なのですが、読みながらふと手をとめて考えさせられることがしょっちゅうありました。静かで落ち着いた情景が続くのですが、とても深い、しかしシンプルなメッセージがたくさん込められていました。美しい童話であり、奥深い哲学書であり、続きが気になる冒険小説でもあるこの本からは、大いなる力を受け取った気がします。人生の知恵や法則を、すぐれた物語の力でで心にしみこませてくれました。遥香さんのおっしゃる『本当になにかを欲すれば、宇宙全体が協力して、常に、おまえの味方になってくれる』 というメッセージも、自然なかたちですっと理解できました。(2003年4月)

□ スタンダール/赤と黒

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■管理人の感想

貧しい製材所の息子ジュリアン・ソレルは、聖書を丸暗記できる頭脳と秘めたる野心を武器に、領主レナール氏の元に家庭教師の職を得る。その後、レナール夫人を誘惑し恋仲になるが、そのことを疑われるようになり氏の元を出る。立身出世を夢見て神学校に進んだ彼は、今度は貴族の元に住むようになるが、そこでも・・・

このジュリアン・ソレルの才能、純粋さ、野心、そして情熱は、今冷静に見るとはっきりいってかっこ悪いものなのかもしれません。しかし、この青年の生き様には個人的には思春期の青い感覚にばっちりはまってしまい、酔わされました。恋愛小説ということになっていて、もちろんそれはそのとおりなのですが、それよりもこの青年の情熱、「〜を義務と考える」その性格。10代の頃、彼に会えてよかったと今も思います。

なお、岩波と新潮から文庫が出ていますが、岩波の生島訳のほうがよりしっくりくる日本語になっているように感じました。

◇ 沢井 鯨/P.I.P.(プリズナー・イン・プノンペン)

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■ご紹介下さった方

じぞうさん

■紹介メッセージ

去年の夏くらいにリリースされて話題になってたみたいですからもうお読みかもしれませんが、まだでしたらとにかく読んでください。これがデビュー作というだけあって文章力、構成力ともにやや難ありですが、そんなこと気にならないくらいのインパクトがあります。「アジアン・ミステリー」とオビに書いてありますが、無理にカテゴライズすればクライム・ノヴェル+冒険小説、くらいかな。とにかくカンボジアという国のダーク・サイドをここまで活写した作品もないのでは、という感じです。

この小説は著者の実体験をベースにしているということで、多くの読者の興味は「どこまでがノン・フィクションなのか?」というところにあると思うのですが、まあそれはそれとしてまずは一読を。後半の面白さは特筆ものです。(2001年9月23日)

■管理人の感想

シンガポールへ遊びに行く飛行機の中で、この本を読みました。機内の6時間が、まったく退屈ではありませんでした。

ひとことで言えば、カンボジアでいわれのない罪で投獄された男のその後、という物語です。しかし、この作品で描かれているカンボジアの腐敗ぶりには戦慄を覚えるほどのものがあります。しかもそれが作者の実体験に基づいている(どこまでがほんとなのか、という問題はあるにしても)ものです。ですから、この本を読んでいる間は、単なる脱獄物語を超えた興奮を感じていました。

加えて、個人的に非常に興味を持った部分があります。なぜポル・ポトが、自国民の3分の1を虐殺するに至ったかという理由について述べられているところです。この本にも書かれているように、例えばヒトラーのユダヤ人虐殺は、その行為・思想は許されるものではないにしろ、そこに至った理由にある程度の筋道があります。ところがポル・ポトのやったことにはそういった筋道がありません。単に自分の国や国民を破壊しただけに見えます。なぜそんなことをしたのか?これは以前から抱いていた疑問だったのです。この本で述べられている説は、完全に納得できるほどのものではないにしろ、なかなか興味深いものです。

この本を読み終わりシンガポールに降り立って、そのクリーンで整った様子を目の当たりにして、この本で描かれているカンボジアとの歴然とした差を感じました。ひとえに、この差をもたらしたのは政治の差だということができると思います。この本からは、間接的にではありますが、政治の重要性というものをも実感させられました。(2001年10月12日)

◇ 島田荘司/SIVAD SELIM (「島田荘司読本」収録)

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■ご紹介下さった方

イギリス研究会のミステリファン

■紹介メッセージ

横浜で私立探偵を開業している御手洗と石岡のもとに、ロックバンド・コンテストの ゲスト出演の依頼が来る。御手洗はギターの名手で、その腕をみこんでのことだが、 御手洗自身はコンテスト当日来客があるといってあっさり断る。当日、石岡の説得の 甲斐なく御手洗はさっさと出かけてしまい、しかたなく石岡がかわりに審査員として 会場におもむくはめになるのだが...

というような話なのだが(これだけではなんのことやらわからないか)、話の内容は ともかくこの小説に表れる音の描写は本当にリアルだ。音楽ファンなら、とくにビー トルズのファンならぞくぞくするんじゃないかな。短い話だし、読んでみて損はない と思う。ちょっとした図書館なら作家研究コーナーあたりにおいてあると思います (さすがに買えとはすすめられないんで)。

■管理人の感想

島田荘司の音楽への愛情が積もり積もってあふれ出てしまった、とでもいうような作品ですね。彼が、ビートルズとあのトランペッターとを愛するあまり、長年育んできていた夢を一気に書きつづった様子が、コンサートでの御手洗のギターとシヴァのトランペットの描写から伝わってきます。このような音楽への純粋な愛情表現は、音楽ファンとしては嬉しいものです。(1998年6月)

◇ 杉浦日向子/対談・杉浦日向子の江戸塾

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■ご紹介下さった方

UKIさん、みんさん

■紹介メッセージ

江戸を知ることによって現代社会が相対化できます(UKIさん)

■管理人の感想

江戸は現代とこんなに違うのか。いわゆる日本の風俗のかなりの部分が、実は明治以降できあがったものであるということ。それを当然のように示し続ける杉浦さんの「見てきたような」語り口調に一瞬面食らいつつ、気がつくとかなりのページを読みすすめていました。
この江戸の風俗も、どうやら男が圧倒的に多かったという事情が影響しているとのことですね。その現象にも興味を持ちました。他にもそんな都市、なかったのかな?(1998年5月8日)

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